こんにちは。例年より早めに秋を感じる今日この頃ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

今回は、精神科に通院中の患者さんに多くみられる「便秘」について取り上げます。

精神科治療中にみられる「便秘」の原因には、大まかに2つあると思います。

① 精神科の病気がもとで起こる便秘

② 服用するお薬が原因になる便秘

①について

例えばうつ病では、頭やからだの働きがゆっくりになり、さらに運動量も減るために、便秘がちになります。

②について

服用するお薬によっては、お薬の影響で腸の動きがのろくなってしまいます。

すべてのお薬が便秘の原因になるとは限りません。

たとえば、抗うつ薬のなかで、便秘になりやすいものがありますが、最近の抗うつ薬のように便秘を引き起こしにくいものもあります。

同様に、抗精神病薬でもに、便秘になりやすいものと、そうでないものがあります。

服用しているお薬の量によっても、違いがでてきます。

お薬の便秘への影響を知りたいときは、主治医にたずねるといいでしょう。

大事なのは、治療中においても、お通じを習慣づけようとすることです。

便秘が続く場合は、主治医にお伝えし、生活習慣を工夫(できる範囲で散歩する、食物繊維を多めに摂取するなど)しても便秘が改善しない場合は、便秘薬を調整してもらうといいでしょう。

精神科医は、治療中の患者さんの多くが便秘傾向になるため、普段から便秘薬の調整には慣れています。

精神疾患を発症すると生活にリズムが失われがちです。その中で、からだのリズムを取り戻すためにも、便秘の解消が重要だと思います。

ご覧頂き有難うございました。ご不明な点は、診察室にてお気軽にお尋ねください。