患者様から診察中に「お薬を飲むと、やめられないですか?」とご質問されることがよくあります。
どうしてそう思われるのかを聞いていると…
1.「お薬に依存してしまうのが心配」
2.「いちど飲みだしたら、一生飲み続けないといけない気がする」
と、2つの思いがあるように感じています。
ここでは
1.「お薬に依存してしまうのが心配」
について考えてみます(2.は次回に掲載予定です)
精神科のお薬のなかには、飲んでいるうちに、やめにくくなるものはたしかにあります。
その例に、不安や緊張をやわらげるお薬(抗不安薬)や、睡眠をとりやすくするお薬(睡眠薬)に代表される「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれるお薬が挙げられます。
下記にお薬の例を挙げておきます。
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・抗不安薬の例(商品名/一般名)
コンスタン/アルプラゾラム、ワイパックス/ロラゼパム、デパス/エチゾラム
・睡眠薬の例(商品名/一般名)
レンドルミン/ブロチゾラム、リスミー/リルマザホン、サイレース/フルニトラゼパム
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・・・。
むずかしいカタカナばかり出てきて申し訳ありません・・・。
お伝えしたいのは、ここからです!
これらの薬剤は、不安や緊張などの症状が強い場合には、つらい症状をやわらげてくれます。
しかも、比較的、即効性があります。
ですので、不安や緊張が強くて、医師にすすめられている場合は、「依存するかも」と心配するよりも、安心して服用し、早く症状を取ってあげてください。
まずは、お薬の力を借りてでも、目の前のつらい症状を取ってげましょう!
では、症状は楽になったけれど…
ずっと飲み続けていても大丈夫…?
やめられない…?
と思われるかもしれません。
一般に、つらい症状が取れてきて安定した状態が続くと、抗不安薬や睡眠薬は、少しずつ減量していきます。
お薬を減らすのが不安な時は、医師と相談しながら、それぞれのペースで減らしていくといいと思います。
症状が改善しても、お薬の量が多いままであれば、医師と相談した方がいいかもしれません。
このように、症状の強さや治療時期に応じてお薬の量を調節していれば、「依存してやめられない」ということは、それほど心配しなくていいと思います。
ここまでご覧頂き、どうも有難うございました。
次回は、2.「いちど飲みだしたら、一生飲み続けないといけない気がする」について掲載する予定です。